当院で行っている機能訓練

目次

機能訓練を行う上で大切な事!

無駄な努力をしない。

機能訓練を行う上で一番大切な事は、無駄な努力をしない事です。

ご利用者様はもちろん、私たちは時間も気力・体力も限られています。

努力の仕方を間違うと、目標が達成できずに時間ばかりが過ぎて、

次第にやる気も体力も無くなってしまいます。

そうならない為には、目標をしっかり決め、目標に設定した動作を分析し、

自分の問題点を自覚し、それを克服するための訓練を行う事が大切です。

モチベーション

機能訓練は、スポーツや武術の練習と同じで本人モチベーションや訓練の量に左右されます。

例えば、ゴルフが上手になるために、1回30分程度の練習を週2回、イヤイヤ行ったところで

上手になるわけがないのと同じです。

機能訓練で、成果を上げる事が出来るご利用者様は、自ら進んで機能訓練を行える人ばかりです。

モチベーションが低い場合

モチベーションの低いご利用者様に、無理矢理、機能訓練を行う事はできませんので、

マッサージや関節可動域訓練中心の施術内容になります。

モチベーションが高い場合

モチベーションが高いご利用者様には、しっかりと目標を設定して適切な機能訓練を行います。

しかし、施術回数が少ない場合は目標を達成する事が出来ない場合があります。

(施術回数が少なくても、自主的又は介護者の協力で週4回以上、機能訓練が行えるご利用者様は大丈夫です。)

目標の設定

機能訓練を行う上で、目標を設定する事は非常に大切です。

目標が無ければ、どんな訓練をしてよいか分からないからです。

目標の立て方

目標は、『筋力の向上』や『柔軟性の向上』など漠然としたものではなく、

出来るだけ具体的で、日常生活動作に直結するものが良いです。

例えば、『ベッド横のポータブルトイレに自力で移動したい。』などです。

動作分析

目標が設定出来たら、次は動作を細かく分析していく作業です。

前章で目標に設定した『ベッド横のポータブルトイレに自力で移動したい。』という動作を大まかに分けると

下記の動作が含まれています。

  • 寝返り
  • 起き上がり
  • ベッドサイドに端座位になる。
  • 立上り
  • 移乗動作

これらの動作が出来ないと、目標が達成できないわけです。

問題点を明確にする!

目標にした動作を大まかに分けたら、その動作を更に細かく動作分析して

ご利用者様の問題点を見つけます。

例えば、②の起き上がりが出来ないのであれば、起き上がりの動作を分析します。

起き上がりの動作を行うには、下記のようなポイントをクリアする必要があります。

  • ベッドを押す腕の力
  • 起き上がるタイミング
  • 体幹の筋力
  • ベッドからしっかり足を下す

例えば②や④のようにタイミングや技術の問題であれば、それを修正するだけで、

その日から起き上がりが出来るようになる事も珍しくはありません。

しかし、①や③のように、筋力の問題であれば筋力を強化する訓練が必要になります。

問題点を克服するための訓練を行う!

前章のような①や③のような筋力不足の問題が見つかった場合、

  • ベッドを押す腕の力
  • 起き上がるタイミング
  • 体幹の筋力
  • ベッドからしっかり足を下す

ネットで紹介されているような、体操や筋力訓練を行うのも悪くはないのですが、

一般的な、筋トレや体操で行う筋肉の使い方と、日常生活動作で筋肉の使い方では少し違うのです。

日常生活動作を訓練にする。

日常生活動作の質を向上させるための訓練は、日常生活動作の動きを使った訓練が一番効果的です。

例えば、①のようにベッドを押す腕の力が弱いのであれば、出来る範囲で自力でベッドを押してもらい

後ろから、補助して何度も起き上がりの練習を行います。

出来るようになったら、逆に少し負荷をかけて起き上がりが出来るようにします。

そうする事で、無駄の無い起き上がりの訓練ができます。

このように、日常生活動作を向上させる機能訓練は、日常生活動作自体を訓練にするのが一番無駄の無い訓練になります。

目次